お体の症状について
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坐骨神経痛
最近、カラダのしびれについて、TVの番組などで取り上げられることが多くなりました。
お客様の中にも、腕や足にしびれを感じる方は多いかと思います。
しびれと一言でいってもその症状は多様です。
痛みやピリピリする感じ、熱い・冷たいといった感覚、また感覚の鈍さなどがあります。
目次
坐骨神経痛とは?坐骨神経の症状
坐骨神経痛の原因
坐骨神経痛に対するほぐし・運動・ストレッチ
まとめ
坐骨神経痛とは?
「坐骨神経痛」とは、病名ではなく下肢にあらわれる症状の総称で、坐骨神経の通り道の何処かで圧迫や締め付けが起こった時におしりから下肢にかけて痛みやしびれが続く状態を言います。
坐骨神経痛について、まず神経とはなにか簡単に説明します。
神経は大きく2つの種類に分けられます。
脳やせき髄など体に色々な命令を出す中枢神経と、
脳やせき髄など体に色々な命令を出す中枢神経と、
その命令を伝える末梢神経があります。
この末梢神経が圧迫されたり、怪我等により傷ついた時に体にしびれが生じることがあります。
末梢神経はせき髄から体中にのびていますが、圧迫を受けやすい箇所がいくつかあります。
神経は長い時間圧迫を受け続けると傷ついてしまいます。
傷ついた神経は過敏に反応してしまい、少しの刺激でも痛みやしびれを感じる事が多くなってしまいます。
特に2ヶ所以上同時に傷ついた場合では症状は強くなりやすいです。
傷ついた神経は過敏に反応してしまい、少しの刺激でも痛みやしびれを感じる事が多くなってしまいます。
特に2ヶ所以上同時に傷ついた場合では症状は強くなりやすいです。
坐骨神経は、坐骨を通りお尻の筋肉(梨状筋)を通り、足へ向かう末梢神経のひとつです。
坐骨神経痛の症状
症状は、お尻、太ももの裏、ふくらはぎ、足の裏、足の指などのしびれや痛さです。
少し気になる程度の軽い痛みから腰を伸ばす事も仰向けに寝る事も出来ないほどの強い痛みまで程度は様々です。
神経が障害される事による症状なので、切り傷や打撲などと痛みの感じ方が異なり、「ビリビリする痛み」「重苦しい痛み」「電気が走るような痛み」、「焼け火箸を差し込まれるような痛み」、「電撃痛」、「冷たい痛み」などで表現される事が多いです。
特定の体勢で症状が強くなる場合もあります。
痛みの場所は坐骨神経が通っている、おしりから下肢にかけて起こり、片肢に症状が出る場合がほとんどですが、両肢にあらわれる事も時々あります。
坐骨神経痛の主な症状
・おしりから下肢にかけて痛みがある
・長い時間立っている事が辛い
・腰を反らすと下肢に痛みやしびれを感じる事がある
・おしりの痛みが強く、座り続ける事が困難
・歩くと下肢に痛みが出るため歩けなくなるが、休むと歩く事が出来る
・体をかがめると痛みが強くなる
このような状態が1つでもある場合は、坐骨神経痛である可能性が疑われます。
また、上記以外にも…
・尿失禁や頻尿など、排尿障害がある
・会陰部がしびれたり、ほてるなどの異常感覚がある
など、しびれや痛みだけでない症状も出ている場合は、重度の腰椎疾患が疑われるので、早めに病院で検査を受けるようにしましょう。
坐骨神経痛の原因
原因としては、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、梨状筋症候群、腫瘍、骨盤内臓疾患、帯状疱疹などがあり、
神経根の圧迫による坐骨神経痛の原因として、椎間板ヘルニアによるもの90%を占めるとする報告もありますが、
高齢化により脊椎の変形疾患である脊柱管狭窄症によるものが増加傾向にあります。
1.腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛
【年代】
腰椎椎間板ヘルニアは、20代が最も多く続いて30~40代、最近では10代の若い人も増えている。
【坐骨神経痛の原因】
腰部の椎骨と椎骨の間でクッションの役割を果たしている軟骨(椎間板)が変性し、組織の一部が飛びだし、椎間板の一部が付近にある神経を圧迫し、腰や足に激しい痛みやしびれなどの坐骨神経痛が起こる。
【痛みの特徴】
・前かがみになると痛みが出やすい
・あぐらや横座り
・中腰で行う動作
・猫背の姿勢
などは腰への負担が大きく、椎間板が飛び出しやすくなり痛みが出る。
2.腰部脊柱管狭窄症による坐骨神経痛
【年代】
腰部脊柱管狭窄症は、50歳以上の中高年に多いが、もともと脊柱管が狭い人は30~40代で症状が出る人もいる。
【坐骨神経痛の原因】
背骨にある神経の通り道「脊柱管」が加齢により狭くなる事で神経根や馬尾を圧迫し、坐骨神経痛が引き起こされる。
【痛みの特徴】
・体を後ろに反らせると脊柱管がさらに狭くなり神経などを圧迫する
・高いところのものを取る動作
・腰をひねる動作
・背筋を伸ばす動作
などは痛みが出たり、痛みが強くなるのが特徴。逆に、前かがみになると脊柱管が広がるため、自転車の運転や、靴下を履くなどの動作は比較的楽に行える。
長い時間歩くと症状がひどくなり、しばらく休むとまた歩けるようになる、「間欠跛行(かんけつはこう)」が典型的な特徴です。
腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症がもっとも多く、坐骨神経痛の症状を引き起こします。
坐骨神経痛に対する運動・ストレッチ・筋肉ほぐし
坐骨神経痛の予防や改善には、運動やストレッチ、筋肉ほぐしが効果的です。1.お尻ほぐし
(股関節の屈曲制限改善、骨盤のゆがみ改善)
①仰向けになると床に触れる、骨盤の骨の出っ張り(PSIS)を探します。
②骨の出っ張りを避けて、その下側にテニスボールが当たるように、テニスボールの上に仰向けで寝ころがります。
②骨の出っ張りを避けて、その下側にテニスボールが当たるように、テニスボールの上に仰向けで寝ころがります。
ボールを当てている側の膝を抱え、股関節の付け根を曲げてお尻をほぐします。
③少しづつテニスボールの位置をずらして、ほぐす場所を変えていきます。
③少しづつテニスボールの位置をずらして、ほぐす場所を変えていきます。
*硬い所を探しながら、ボールの位置を変えてみてください。気持ちいいが基本ですので、痛いとか不快な感じの時は行わないでください。
2.鼠径部ほぐし
(骨盤の後傾制限改善・股関節の伸展、内旋制限改善)
①仰向けになって胸を張り、片足を立てた状態で鼠経靭帯周辺をほぐしていきます。
②手で押した状態で脚をゆっくり外側に倒していきます。
③それを繰り返し行い、大腿部の内側もほぐしていきます。
*鼠径部は、鼠経靭帯の周りが硬くなり股関節を曲げると痛みがでたりするので、ほぐしていくと股関節の
可動域や骨盤のゆがみにも効果的です。
3.ドローイン
(骨盤の安定性改善)
①仰向けになって胸を張り、脚を閉じた状態で膝を曲げます。
②骨盤の骨の出っ張り(ASIS)のやや内側に指をあてておきます。
③息を吐きながら、お腹を凹ませます。お腹がしっかり凹ます事が出来ていたら、指をあてていた箇所が硬くなっていることが確認できます。
④息を吸いながら、お腹を膨らませます。(腹式呼吸)
⑤腹式呼吸がしっかりできる事ができたら、お腹を凹ませた状態で呼吸をします。
*みぞおちを前に出して胸を張るようにして、自然な腰椎の前弯を作ります。お腹を凹ませた状態で呼吸を
するときに、お腹が膨らまないように注意して行ってください。
4.四つん這いストレッチ
(大殿筋・外旋筋群の柔軟性改善・仙腸関節のアライメント改善)
①肩の下に手、股関節の下に膝がくるように四つん這いの姿勢になります。
②股関節を曲げていきお尻を後ろへ動かします。さらにお尻を横に突き出して、外側に張り感を感じたところで、動きを止めて姿勢を維持します。
③四つん這いの姿勢に戻り、①②を繰り返し左右とも行います。
*背中が丸まらないように、おへそを床に近づけるイメージで腰の自然なカーブを保つようにします。
お尻のストレッチ感が無くても仙腸関節の締まりを改善する動きになるので、ストレッチを意識し過ぎなくても大丈夫です。
まとめ
「坐骨神経痛」は、病名ではなくおしりから足にかけて痛みやしびれがある症状のことなんです。
坐骨神経痛を引き起こす原因となる疾患はさまざまです。比較的若い人に多くみられるのは、腰椎と腰椎の間にある椎間板が後方に突出または脱出して、じん帯や神経を圧迫する「腰椎椎間板ヘルニア」です。
一方、比較的高齢者に多くみられるのは、主に加齢に伴って、背骨の後ろの方にある黄色じん帯という部分が厚くなったり、椎間板が突出または脱出したり、骨が変形してとげのような部分ができたりすることによって背骨の中央にある脊柱管が狭くなることで起こる「腰部脊柱管狭窄症」などです。
坐骨神経痛は、軽度のうちなら運動やストレッチ、筋肉をほぐすことによって自分でも予防したり、改善したりすることができます。ただし、強い痛みがあったり、歩きにくいといった状態の場合には、自己流でやると悪化させてしまうことがあるので、かならず専門の方にご指導、ご相談をしてください。
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