お体の症状について

変形性股関節症

股関節が硬くなって動きが悪い、
立っていると股関節が辛くなる、
股関節を動かすと音が鳴る、
股関節に違和感を感じる方は多くいらっしゃいます。

 
股関節の違和感がどんどん進んでしまい、痛みに繋がってしまう「変形性股関節症」について紹介していきます。




目次

股関節の構造
変形性股関節症とは
痛みや違和感が現れる主な部位
変形性股関節症の原因
変形性股関節症は進行性
変形性股関節症に対する運動・ストレッチ・筋肉ほぐし
まとめ
 

股関節の構造


太ももの付け根にあるのが股関節です。
骨盤の一部である寛骨臼(かんこつきゅう)の臼蓋(きゅうがい)という受け皿に丸い大腿骨頭がすっぽり収まる構造をしています。


 
臼蓋と大腿骨頭の表面は、それぞれ2~3ミリの軟骨に覆われていてツルツルです。
その周りには、関節包という袋に包まれていて、中には少量の関節液が入っています。
関節液は、関節軟骨に栄養を与え、運動時には潤滑油として作用します。


 
本来、正常な股関節はこのような構造で、曲げたり伸ばしたり開いたり閉じたり、回したりなどの動きがスムーズにできる関節なんです。



変形性股関節症とは

 
変形性股関節症は、大腿骨(太ももの骨)と骨盤の間にある軟骨がすり減り、炎症や痛み、変形といった症状を引き起こす進行性の病気です。

 
骨と骨の接合部のズレが、軟骨の状態を悪化させ関節軟骨の変性・破綻が起こり更にそれを修復する反応が同時に起きている状態で、すり減ったり過剰な骨ができたりしてすり合わせに不具合が生じて関節が変形します。

 
症状は、痛み、股関節の動きの制限、跛行などがあります。
発症すると加齢とともに徐々に悪化していきます。
また、女性に多い病気であることも特徴のひとつです。



痛みや違和感が現れる主な部位


股関節の痛みや違和感は、カラダの前面の「鼠径部」だけでなく、背面の「おしりの上部と下部」側面の「おしりの横」にも痛みがでます。
また、前面だけでなく背面も痛いとか前面と側面が痛いとか、複数個所で痛みがでることも多いです。



変形性股関節症の原因


変形性股関節症の原因は、大きく分けて2つに分類されます。
 
・一次性
明らかな原因がわからなくて関節が損傷していくもの。
これは、関節軟骨の細胞が老齢化して、しっかりと働かなくなったためと考えられています。
欧米では、この一次性がが大半を占めます。
 
・二次性
何らかの病気やケガが原因でおこります。
日本では、この二次性が大半を占め、先天性股関節脱臼の治療後や、発育期に生じる臼蓋の発育不全、すなわち先天性の臼蓋形成不全に由来するものが多く、全体の90%を占めています。
 
寛骨臼の発育が不十分で骨頭を十分に覆うことができないため、一部の軟骨に負担が生じ、傷みやすくなるというわけです。
先天性股関節脱臼も臼蓋形成不全も圧倒的に女性に多いため、変形性股関節症は女性に多くみられます。
 
 
【先天性股関節脱臼とは】
 原因は解明されていませんが、生まれつき股関節が脱臼している、子宮内での異常姿勢、遺伝的素因などが考えられています。最近は、発生率が減少しています。

 
臼蓋形成不全とは】
 臼蓋(股関節の屋根の部分)の不完全な発育により大腿骨頭への被りが浅い状態で、先天性股関節脱臼に起因するものと、成長期に臼蓋の発育が正常に進まない後天的なものとがあります。
中年以降に痛みが出て、はじめて臼蓋形成不全と診断される場合もあります。

 


変形性股関節症は進行性

 
変形性股関節症は進行性であるため、4つのステージを経て進行します。
 
「前股関節症」→「股関節症初期」→「股関節症中期」→「股関節症後期」

 
・前股関節症・・・画像検査では軟骨に損傷が見られず、関節内の隙間も保たれているが、本人には違和感がある。
 
 
・股関節症初期・・・反対側の股関節に比べ、軟骨が若干損傷したり隙間が少し狭まって違和感や痛みが出ます。
 
 
・股関節症中期・・・軟骨がすり減って隙間が狭くなっていくために関節の動く範囲も狭まって骨嚢胞や骨棘ができることもあります。
 
 
・股関節後期・・・軟骨の損傷が激しく、骨と骨との隙間がほぼ消失。日常生活中の“普通の動作”が困難になる

 

変形性股関節症に対する運動・ストレッチ・筋肉ほぐし

 
変形性股関節症の予防や改善には、運動やストレッチ、筋肉ほぐしが効果的です。

1.お尻ほぐし

 
①中殿筋の位置にテニスボール(スーパーボール)などを当てる。
②ボールの位置がズレないように注意しながら、体重をかけ横向きに寝そべる。
③カラダを揺らしながら中殿筋をほぐしていく。
 
*中殿筋は、お尻の上部・左右・斜め後方の位置にあります。お尻の一番外側の大きな筋肉(大殿筋)の奥にある。
中殿筋の奥には、小殿筋という筋肉もあります。



2.股関節ストレッチ

 
①左右の足の裏を合わせる。
②左右の足を外側へ少しずつ広げる。
③両膝を床につけるように小刻みに揺らす。
 
*両手で足を持つ場合もありますが、股関節のつまり感が増幅する可能性があるので股関節に問題が
ある方は、両手はカラダの後方についたほうがいいです。



3.お尻上げ運動

 
①膝を立てて、仰向けになります。
②お尻を床から浮かせて、お尻に力を入れます。
 
*お尻の穴を締めるようにすると効果が上がります。


まとめ

 
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減り、炎症や痛み、変形といった症状を引き起こす進行性の病気です。
股関節は、とても自由に動かすことができる関節です。
日頃からお尻や股関節周りのストレッチを心がけましょう!

 
 
   
 

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