整体のお話
肩こり解消に効果的なストレッチ&トレーニング④ 前鋸筋編
この3つの筋肉は、肩こりにとても関係する重要な筋肉ですが、最後に
もうひとつ大事な筋肉があります。
それは、前鋸筋です!!
前鋸筋は、肋骨から肩甲骨に付着する筋肉で、腕を動かす時に非常に
重要な筋肉で、肩こりの原因になることが多い筋肉なんです。
まだまだ、肩こりに関係する筋肉はありますが、ご興味がある方は
読んでみてください。
肩こりに関係する筋肉 前鋸筋
1.前鋸筋の構造
起始 第1~8肋骨の外側中央部
停止 肩甲骨の内側縁
作用 肩甲骨の外転(肩甲骨を背骨から離す)
上方線維:肩甲骨の下方回旋
下方線維:肩甲骨の上方回旋
運動貢献度の順位
肩甲骨外転 | 肩関節外転 | 肩関節屈曲 | |
1位 | 前鋸筋 | 三角筋(中部) | 三角筋(前部) |
2位 | 小胸筋 | 棘上筋 | 大胸筋(上部) |
3位 | 前鋸筋 | 上腕二頭筋 | |
4位 | 僧帽筋 | 前鋸筋 |
前鋸筋は、肩甲骨の外転(背骨から離れる)の主力筋で上方回旋や
下方回旋でも作用する働きがあります。
他にも、肋骨に付着しているので呼吸の補助筋としての役割もあります。
大きく息を吸う時に、活動してます。
2.肩甲骨と上腕骨の関係に前鋸筋が必要
人は、いろいろな事をするのに腕を使っています。パソコンをする時、
荷物を上の棚に上げる、腕を伸ばして物をとる・・・etc
いろいろな動作で、腕が自由に動く為には土台となる肩甲骨が大事です。
腕を回したり、腕を上げたりするときに関係している関節が肩甲上腕関節と
肩甲胸郭関節があります。
○肩甲上腕関節
○肩甲胸郭関節
この2つの関節が協同して動くことで、腕を自由に動かすことができます。
腕を動かす際に、土台である肩甲骨が適切な位置に移動して、上腕骨と
連動して動いています。
この時に、前鋸筋が肩甲骨を外転させたり、上方回旋させるという重要な
役割を持っています。
つまり、腕を自由に動かすには、前鋸筋が働いて肩甲骨を適正な位置で
土台作りをしているということなんですね。
前鋸筋は、肩甲骨を動かすだけではなく、腕を動かすにも大事な筋肉の
ひとつといえます。
3.前鋸筋は肩こりの原因にも・・・
前鋸筋は、肩甲骨を外転させる働きをします。肩甲骨を外転した状態から
さらに腕を前に伸ばすと前鋸筋がより収縮します。
日頃からパソコンを使ったデスクワークをしている方は、腕を前に
伸ばした姿勢が多いため、肩甲骨が外転し前鋸筋が硬くなっていることが
あります。
前鋸筋の過緊張が起きて、血流が悪くなり柔軟性が低下し、硬くなると
だんだんと猫背の姿勢になりやすくなります。
菱形筋のページでも書きましたが、肩甲骨が外転位に保持される状態が
続くと、胸椎が過後湾してしてしまい、猫背になってしまいます。
前鋸筋は、菱形筋とともにバランスよく収縮と弛緩が大事なんですね。
4.前鋸筋ストレッチ
前鋸筋が収縮すると、肩甲骨を外転(肩甲骨を背骨から離す)させます。
ということは、前鋸筋のストレッチするには、肩甲骨を内転せせれば
いいんです。
壁のところに立って、伸ばしたい方の腕を壁にひっかけます。そのまま
壁から体幹だけを出して、前に少しだけ倒れこみます。
その時に、肩甲骨を内転させてあげると効果的です。同時に胸の前に
ある小胸筋もストレッチできます。
前鋸筋が伸びているのを感じましょう。呼吸も忘れずに!
30秒づつ行いましょう。
5.前鋸筋トレーニング
鍛えたい方の手にダンベルを持って、肘を伸ばした状態から垂直に腕を
伸ばします。そこから、肩甲骨を床から浮かすように手を天井に向かって
伸ばします。肩甲骨を意識してゆっくり手を伸ばしてください。
1回1回を丁寧に、10~15回を目安に行いましょう!
前鋸筋は、菱形筋と関係が大きく、片方が収縮している時にも片方が
伸張したり弛緩したりしています。なので、交互に鍛えてあげると
筋バランスが良くなってきます。
腕立て伏せの状態になります。腕は伸ばしたまま、ゆっくりと両肩甲骨を
内側に引き寄せます。その後、ゆっくりと両肩甲骨を引き離すように
外側に動かします。その時、床を押すようにすると効果的です。
1回1回を丁寧に、10~15回を目安に行いましょう!
6.まとめ
前鋸筋は、あまりご存知のない方が多く目立たない筋肉ですが、肩甲骨の
動きや腕の動きにとっては、とても重要な筋肉です。
そして、前鋸筋の過緊張が肩甲骨を外転させ、猫背の姿勢になりやすく
もなります。そうなると肩や背中の負担が大きくなり肩こりの原因にも
なってしまうのです。
あなたの肩こりは、前鋸筋が原因かもしれません。
ストレッチやトレーニングを参考に、効果を実感してみてください。
もしも自分では、どうしようもないぐらい辛い肩こりの方は、