アロマのお話
精油の紹介☆姫小松
松葉が柔らかく短めな姫小松は、
その名が表す通り、どことなく女性らしさを感じる優しげな松です。
その名が表す通り、どことなく女性らしさを感じる優しげな松です。
北海道から九州までに自生する常緑針葉樹で、高さが20mに達するものもあるそうです。
赤松や黒松などが二様松であるのに対し、姫小松は針状の葉が5本ずつの“五葉松”です。
5本の葉を束ねるとちょうど円になるんですよ。
松葉というと、ツンツン尖ったイメージですが、姫小松の松葉は柔らかくしなやかです。
飛騨地方では、建築材として屋根を支える梁に多く用いられ、
雪深い飛騨で、民家の屋根に積もる雪の重みを支えてきました。
木目が細かく、柔軟で狂いが少ないことから、「木型」に使われたりもするそうです。
盆栽としても人気があるそうですよ。
一年を通じて緑の葉をつけ、千年の樹齢を保つとも言われる姫小松は、
長寿や夫婦和合の意味を持ちます。
こちらは、葛飾北斎の【姫小松に海老】。
縁起のいいもの一杯の絵です。
姫小松は、松科の精油独特のツーンとした刺激臭がなく、香りは優しく深みのあるものです。
姫小松の精油には、木部からと枝葉から抽出されたものとの2種類があります。
同じ姫小松と言っても、抽出部位によって香りが違います。
木部から抽出された精油は
森林浴の時に感じるような清々さと、刺激臭がなく落ち着いた気分を誘う香り。
枝葉部から抽出された精油は、
青々した清々しさの中に柔らかな甘みを感じる香り。
ちゅ楽では主に枝葉の部分から抽出された姫小松の精油を使用しています。
それは、枝葉部から抽出された姫小松の精油には、ネロリドールが15%以上も含まれているから。
ネロリドールは、その名が示す通り、ネロリの特徴成分です。
学名を【Citrus aurantium】というネロリの精油は、
ビターオレンジのお花から水蒸気上療法で抽出されます。
このビターオレンジ、日本では「橙」と呼ばれています。
そう、お正月の鏡餅の上に飾られている、あれ、です。
「代々」繁栄するようにと、「橙」と言葉をかけて、使われる橙です。
ネロリの他にもネロリドールを含む精油はありますが、樹木の精油では珍しいです。
可愛らしいビターオレンジのお花からと姫小松の松葉からと、
同じ成分が抽出されるなんて、ちょっと不思議ですね。
ネロリドールには、
女性ホルモン様作用や、皮膚細胞成長促進作用、鎮静作用、抗炎症作用があります。
女性ホルモンに働きかけたり、皮膚細胞の成長に働きかけたりと、
女性には嬉しい効能を持っている姫小松なのです。
【姫小松】
科・属: マツ科マツ属
学名: Pinus parviflora
抽出部位: 枝葉
抽出方法: 水蒸気蒸留法
原産国: 日本
採集: 野生
主な芳香成分: α‐ピネン、ネロリドール、β‐ピネン、サピネン、ミルセン、リモネン