アロマのお話

精油の紹介☆橙

前回の柚子に続き、柑橘系繋がりで、今回はをご紹介します。


“だいだい色”のように、名前を耳にすることはあっても、実物の記憶は曖昧で…。

では、どんな時に目にするかと言いますと、

一年の始まり、お正月に欠かせない鏡餅の一部として、が多いと思われます。

鏡餅のトップに乗っているアレ、あれがです。


橙→だいだい→代々→何代も家が続いていく→子孫繁栄となり、

縁起が良いものとしてお正月飾りに使われるようになったそうです。

そんな訳で、お正月飾りに蜜柑では、“代々”とはならないのですね。



の原産は印度・ヒマラヤ地方で、日本には中国を経由して入ってきたと伝えられています。

ヨーロッパでは、サワーオレンジ、ビターオレンジと呼ばれていて、

マーマレードなどに使われることが多いそうです。

は酸味が強く、生食で食べることはあまりないそうで、

だから目にする機会が少ないのでしょうね。



面白いことに、は実った果実を収穫せずそのままにしていると、

落下することなく2~3年は木になっているのだそうです。

1年目の果実、2年目の果実、3年目の果実と、違う世代の実がひとつの木になることから、

「代々=だいだい=橙」と呼ばれるようになったと言われています。

こうした語呂合わせの言葉遊びは他にも結構ありますよね。

めでタイ=鯛とか、喜んぶ=昆布、マメになるように=黒豆などなど、

ダジャレのような言葉遊び、楽しいですね。




そしてこの橙にはもう一つ面白い特徴があります。

橙の実の色、一年中あのだいだい色ではないそうで、

秋ごろに色づき始め、実が熟すとだいだい色になります。

ここまでは、フムフムそうだよね、と普通に思います。

しかし枝にそのままにしておくと、春を過ぎた頃にまた緑色に戻ってしまうんだとか。

不思議!

そのために橙は「回青橙」とも呼ばれています。

青い時代を繰り返すなんて、なんだか再び若返る的な感じがしますね。



橙の精油は、他の柑橘類と同様に皮から採取します。

皮に近づいてジッと見ると、皮の表面にブツブツとしたものがあります。

そのブツブツの中に精油があるんです。

その果皮をを圧搾したり、水蒸気を使ったりして精油を抽出します。


余談ですが、

同じ橙でも、アロマテラピーの世界では実よりも花の方が知られているかもしれません。

橙の花から採られた精油は“ネロリ”。

美容や精神安定の効果で知られています。

良い香りですよね。

お高いのが玉に瑕で、気軽には使いづらい…のが残念なところ。

フレッシュな果実そのものの香りがする果皮から採られた精油とは違い、

酸味が減って甘さが増えた感じの良い香りがします。


因みに、葉っぱから抽出した時はプチグレンと呼ばれます。

こちらは少し青臭く苦味のあるような香りがします。

でもちゃんと、柑橘の香りもしています。

同じ植物でも、抽出部位によって成分が異なり、香りも効果効能にも違いが出てきます。



橙の精油はリラックス効果の高いので、心を落ち着けたり、筋肉の緊張を和らげたりしてくれます。
胃腸の調子を整えてくれる効果もあります。
お肌にもいいんですよ。
炎症を抑え、お肌を引き締めてくれる作用がありますので脂性肌の人に向いているかも。
ヘッドマッサージにもおススメです。






科・属: ミカン科ミカン属
学名: Citrus aurantium
抽出部位: 果皮
抽出方法: 減圧水蒸気蒸留法
原産国: 日本
採集: 四国
主な芳香成分: β‐ピネン、ミルセン、β-フェランドレン  

 

 



 

この記事を書いた人


   ヨガも本格的に学び
体を知り尽くしたスペシャリスト
   生長 真起子
Makiko Ikunaga


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